私のお仕事は、美しく魅力的になりたいと願う方に対して、「ここを伸ばせば美しくなる」という種を見つけて、そこから見た目の印象を作り上げる、いわゆるイメージコンサルタントという職業です。
延べ1000人以上をコンサルティングしてきて、30代までと40代からのファッションが大きく異なると思っていました。
そして、自分が40代になり、それはもっと強く感じるようになりました。
どういうことかというと、30代までは外見だけの特徴を活かしても素敵に見えることが多いけれど、40代は外見だけ調整しても、その方の持つ良さが引き立ってこないのです。
むしろ20代くらいまでは、生まれ持った素材が勝負を決めるところがあります。
かわいく美人に生まれていたらラッキー。
ところが、40代からは、生まれ持った素材だけで美しいと感じさせる人に出会ったことがありません。
生まれ持った素材は皆等しく老化していきます。
老化をしたら、生まれ持った素材は、味わいは深くなるかもしれないけれど、動物が本能的に感じる美しさではなくなるからです。
生まれ持った素材は、老化で一斉にリセットされます。
どんなに美しかった人でも「過去に美しかっただろう人」以上にはならないのです。
外見のハンデは一切なくなるのということです。
これは外見がコンプレックスであった方には、かえってチャンスになっていると思います。
では、40代は何が魅力になってくるのかといえば、それまでの人生で身についた生き様であったり、価値観であったり、内面の面白さではないかと思います。
40代で美しい人は、自己を律する凛とした生き方が見た目に表れ、余裕のある佇まいがあり、自分の良さをきちんと理解して、自分に合うものを身に付けています。
つまり、40代からは内面とファッションがものすごくリンクしているということです。
ただ、40代の方は、自分のことが自分で分からなくなっているケースが多いように感じます。
家族や仕事の相手がどうか、ということを常に優先しすぎてしまい、「自分」を亡くしてしまっているケースが多々見られます。
これが、ファッションの悩みとなっているのです。
自分が何が好きなのか、どういう自分でありたいのか、自分で自分を知らなければ、外見で表現することはできません。
自分に軸がなく、なんとなく世間でいいと言われるもの、なんとなく選んだものを着ているから、自分もしっくりこないし、周りからはちぐはぐに見えたり、印象が何も残らないように見えてしまいます。
人を大事にしてきたことはとても素晴らしいけど、家族であっても、自分以外は他人でしかありません。
自分は自分で大切にしないと、自分以上に大事にしてくれる人はいないのです。
40代のファッションは、自分の人としての魅力勝負。
今こそ、自分に興味を持って、素敵になれる時が来ていると思います。