目視でイエベブルベ分けるのは意味ないです。また、似合う色だけ分かっても、着こなしやメイクに制限かけてたらもっと意味ないです。苦手な色や、まあまあな色を身につけたときにどう他人に見えるのかを知って、工夫してファッションをさらに楽しむことが本来のパーソナルカラーの目的です💄
— 正田美鈴│自分ブランドイメージコンサルタント (@miroirtokyo) February 26, 2020
ちょっとこういうtweetをしたのですが、今、どこもかしこも、「あなたはブルーベース?イエローベース?」と簡易的に診断するのが広まりつつありますよね。
パーソナルカラー自体は20年くらい前からあって、ファッションやメイク好きな人には馴染みがありましたが、ここ数年は、ごく一般的な人にも広まっていると思います。
確かに自分がどういう色が似合うかを知っておくことはすごく便利なんですが、
・まず自己診断では全然正確な結果にはならない
・たとえプロに診断してもらっても、似合うものだけ知ったところで役には立たない
ということは、声を大にして言いたいな、と思います。
自己診断では全然正確な結果にならない
まず、一般的に自己診断する方法は、自分の色素で判断していく方法だと思いますが、私が何千人もこれまで診断した中で、生まれつきの色素だけで判断した状態と、実際に布を当てて判断した状態では、結果が違ってくる方がたくさんいます。
目の色素が茶色く薄い人でも、布を当てたら青みの色がものすごく得意な人もいたし、地毛が真っ黒で濃い人でも、黄みの色が得意な人はたくさんいます。
(この辺の事例は過去ブログにもありますので、 「変身事例」カテゴリからご覧下さい!)
それに、目視では、その方が、どのくらいの度合いで青みや黄みが得意で、どのくらいの鮮やかさが得意で、どのくらいの色の濃さがよいかというのは、正確には判断できません。
人によっては、青み/黄みよりも、鮮やかさ/濁り、薄い/濃いの方が影響が大きい場合もあります。
私自身も、ほどよい青みが得意で、鮮やかさが重要なタイプです。
ブルーベースですが強い青みは顔色が落ちやすく、クリアで赤みもあるイエローベースのカラーの方が使いやすいタイプです。
こういうタイプは、ブルーベースかイエローベースかだけで考えると、実際にいいカラーを見落としてしまう可能性があります。
そして、私のようなタイプは、日本人には結構多いです。
私は、そういう実践の積み重ねがあるので、目視だけでその方のパーソナルカラーを判断するのは怖いな、と思っています。
似合うものだけ知ったところで役には立たない
無事に、自分の得意な色がわかったとします。
でも、これでゴールではありません。
私は、ものすごく多くの方が、逆に”似合う色”に縛られすぎて、その色ばかりしか着られないケースを見てきました。
他のサロンでパーソナルカラー診断を受けたことがある方は、だいたいひと目見れば何を言われたかわかります(笑)
なぜなら、全身がそのシーズンの色でしかコーディネートされていないからです。
しかし、コーディネートとしては、あまりよろしくありません。
ものすごく幅が狭まりますし、色合わせ的にも限界がくるからです。
もっと、コーディネートをするということを念頭に置いた上でアドバイスすべき、というのが私の考えです。
似合う色以外は使ってはいけないの?
似合う色以外を徹底的に避ける方もいらっしゃいますが、自分にとっての色には段階があります。
- ものすごく似合う色
- ごく普通に見える色
- 苦手要素があるものの影響は大きくないので他人から見てもそこまで変に思われない色
- 苦手要素があるが工夫すればコーディネートには使える色
- 残念ながら悪影響が強く工夫のしようがなく避けたほうがいい色
皆様は、似合う色以外の段階をきちんと理解されていますか?
正直、⑤の色以外なら、コーディネートには使って差し支えありません。
避けたほうがいい色はそんなに多くないはずので、使える色は、皆様が思っているよりもっと多いはずです。
例で言うと、キツくクールに見える色は、人によって③、④あたりのレベルになります。
もし、このクライアント様が、バリバリのキャリアウーマンで、部下も抱えて、「デキる人」に見せたかったら、この色は結構使えます。
ただ、接客業をしている方だったら、とっつきにくい雰囲気になりやすいので、あまりメインには使わない方がいいですが、メインでなければ、問題はありません。
MIROIRのパーソナルカラーは、ただ、似合う・似合わない、と仕分けするだけでなく、こういう色はこういう印象を他人に与えやすい、こういう影響が出やすいけどこういう対策ができる、こういうケースだったら敢えて使うのはあり、というように細かく結果をお伝えしています。
パーソナルカラーは、ファッションを制限するための診断ではありません。
よりファッションを楽しむための診断であるべきです。
メイクと洋服の色の使い方はまた違う
洋服は布が肌の上にくるだけですが、メイクは、自分の表皮(肌)の色と混じり合います。
唇も、ご自身の色素がコスメの色に影響しますし、くすみなど肌の状態によっても変わります。
なので、布の理論と全く同じにはなりません。
ネットや雑誌で「○○タイプに合うコスメ」と紹介されているからと、何も考えずにそれを買っても、似合って見えないこともあると思います。
自分の肌の色と調和するかは、試してみないことには判断できません。
今現在、パーソナルカラーが簡単で便利なもの、と広まりつつある今、もっと多くの方が、「ファッションが余計に狭まってしまった!」と困ってしまうのでは?と懸念しています。
ぜひご参考いただければ幸いです!