単一的な診断結果アドバイスではファッション迷子を生む
Jさん(43歳・教員)こそ、今までとガラっと変化されたおひとりでしょう。
Jさんは、以前は、黒、グレー、紺の無地で、シンプルなものをよくお召になっており、真面目でお堅く、実際の年齢よりも年上に見えていらっしゃいました。
ユニークな部分もお持ちなのですが、残念ながら、そうは見えていなかったのです。
Kさんは、もしかしたら「先生とはこうあるべき」「母親とはこうあるべき」と思いすぎていらっしゃったのかもしれないな、と思います。
Jさんの印象タイプはエフォートレスタイプ。
このタイプは、きちんと感を持たせすぎると、お堅い雰囲気になりやすいです。
ですから、ほどよく抜け感のある雰囲気に見せることが必須です。
しかし、Jさんの職場も、ある程度きちんと見えることが要求されますし、Jさんの性格的にも、キッチリしたところを無理に変えるのは心がフィットしないと思うので、今回は、エフォートレスタイプをどこまできれいめに寄せつつ、抜け感とのいい塩梅を保つかがテーマでした。
MIROIRはおひとりおひとりに合わせたコンサルティング主体ですが、これが、ただの診断結果を出すだけのファッションアドバイスだと、「エフォートレス=ゆるゆるファッション」というただ単一的な方向性しかアドバイスできず、Jさんのように、きちんと感も必要なんだけどな…という方には、ズレたアドバイスしかできずに、活用できずに、結局どうしていいのかわからないファッション迷子を生むと思っています。
MIROIRは印象分析がその方のファッションの方向性を表しますが、あくまで「方向性」であり、道標です。
そこからどういうお洋服を選び、どう着こなしていくのかは、おひとりおひとり、好みもキャラクターもライフスタイルも違うのだから、「正解」が違います。
そういうものを一切無視したファッションアドバイスは、自分らしさを感じにくく、着ていても落ち着かなかったり、自分では似合っているように思えない、ということが起こります。
それは、自分の内面が入っていないからです。
ファッションとは、外見の特徴を活かすだけでなく、内面も表現できていないと完成しないものなのです。
きちんと感のあるエフォートレスファッション事例
少しシャリ感のある生地のシャツはピシっとなりすぎなくて、エフォートレスタイプに最適です。
Jさんの体型は身幅の細いI型で、華奢なために上半身にメリハリが出ていないタイプ。
こういう方は、着丈が長いものを体にフィットさせるように着てしまうと胴が長く見えてしまうので、上半身にボリューム×ウエストを絞ることで、スタイルをアップして見せることができます。
このドロップショルダーのボーダーのシャツも、他のタイプが着るとゆるゆるしすぎて撃沈しやすいのですが、Jさんの場合は、ほどよいゆとりが上半身のボリュームアップして見せてくれ、真面目すぎない肩の力が抜けた印象に見せてくれます。
とはいえ、Jさんの場合は、これ以上ゆるゆるしすぎると、キャラに合わないので、このくらいの塩梅でやめておいた方がいいですね。
左のワイドパンツは職場でも着られるきれいめな雰囲気とカジュアルにも着られる雰囲気が絶妙でした。
このブラウスも、本当によくお似合いでした。
きれいめな雰囲気もありつつ、真面目になりすぎないバランスです。
左側は、また上のワイドパンツとは違う雰囲気のワイドパンツです。
かなりボリュームがありますが、ほどよくキレイめにで、大人が着やすいワイドパンツ。
タイトスカートも、ポコポコとした表面になっているカジュアルな生地とストライプで、ほどよいカジュアル感があり、堅く見えにくいです。
これらのアイテムをトップス変えたり、ボトムを変えたりすれば、さらに色々なコーディネートが楽しめます。
この日は、アクセサリーも、雰囲気が変えられるように全く違うパターンのものをご紹介していきました。
お洋服を選んでいる最中は、「これ私が着て大丈夫かしら・・・」とおっしゃっていましたが、着ていただだいて鏡を見ると、「私にぴったりすぎて・・・」と笑いさえ出てきていらっしゃいましたね。
そうなんです、似合うってこういうことなんです〜!
もうこれを知ったら、前のファッションには戻れませんね。
Jさん、ガラっと生まれ変わって、ユニークなキャラクターがどんどん開放されていらっしゃいました。
似合うものを着て心が楽しくなる感覚、ぜひ存分に味わってください!
Jさんからのご感想
本当に衝撃的な、しかし意味のあるレッスンでした。
自分が、「普通であること」「存在を消すこと」にこれまでいかに心血を注いできたかが面白いようによくわかりました。
似合わない理由、物足りない理由などがわかるというだけで、何かもうそれだけで自信になるというか、とても心地のいい学びがあったことがわかりました。
それで、そもそも自分の家のクローゼットに入ることも苦手だったのですが、クローゼットは計算をする楽しい場所なんだと気づき、レッスンを受けただけで構えが変わりました。
やはり「計算」「理論」なんだと納得です。
持っていった洋服も、私の中では全否定されてもおかしくないと思っていたところ、逆に、命を吹き込む方法を教えてくださって、これからも大切にしようと思えました。
Jさんは、『「普通であること」「存在を消すこと」にこれまでいかに心血を注いできたかが面白いようによくわかりました。』と書いていらっしゃるように、自分の人生なのに、自分が自分に遠慮されているような印象でした。
でも、人生ってその人だけのもので、自分の人生だけは、自分が舵をとって、自分主体でないと満足感のある生き方はできないと思うのです。
Jさんはそれに気付かれてこられたからこそ、「変わりたい」とMIROIRにお越し下さったと思います。
本当はおちゃめなところがある素敵な方なのに、厳しく近寄りがたく見られることはとてももったいないですよね。
新しいファッションでのびのびと自分らしいキャラクターが出てきたJさん、今頃楽しくお過ごしになっているでしょうか。
ファッションとは、生まれつきのセンスというより、見せ方を「計算する」ことに尽きると思います。
その方法がわかっていれば、自分のブランディングはとてもスムーズです。
また、お洋服は、得意なデザインや色だけを選ばなければならない訳ではなく、コーディネートで得意な雰囲気にもっていけば、着こなせるものもたくさんあります。
これまでのお洋服だって、コーディネートでなんとでもなるものです。
よく、「これは似合うタイプの洋服ではないから処分しなさい」ということが言われていたりしますが、全否定されるって、それまでの自分を否定されるようで嫌じゃないですか?
そもそも、今までの方向性と違う洋服だからと全部捨てることになったら、明日から着るものなくなるし。
もちろん、どうやったって難しい洋服はあります。
そもそもサイズが合っていないとか、工夫のしようがないものはあります。
でも、それも納得された上で、着るか着ないかを決めるのはお客様です。
お客様が残したい、これからも着たいというものは、どういう着こなしをすれば、似合うように着こなすことができるかを提案できることも、このイメージコンサルタントの腕の見せ所ではないかな、と思います。